存症患者は次々と問題を起こすので、周囲はアルコール依存症者が飲み続けることを可能にする（周囲の人の）行為の仕組みを知らないとどんどん巻き込まれて疲弊していきます。たとえば二日酔いで朝起きてこない本人に代わって会社に電話を入れる、借金を返してあげるなど、周囲がよかれと思ってすること等です。責任の肩代わりをすると本人が感じるべき後悔や痛みを軽減してしまうため、本人は嫌な思いをせずにすみます。その結果、「喉元過ぎれば」で、飲み続けることを可能にしてしまう悪循環になるのです。

悪循環が進む背景には、次のような３つのコントロールがあります。
①飲酒をコントロールする（怒る、説教する、監視する、酒を隠す、捨てる、など）
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②飲酒の原因をコントロールする（機嫌をうかがう、ストレスを軽減する、生活を変えさせる、など）
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③飲酒の結果をコントロールする（介抱する、会社に言いわけをする、迷惑をかけた人にあやまる、借金の肩代わりをする、など）

アルコール依存症は、飲まずにはいられなくなる病です。周囲がいくら酒をやめさせようとしても、ことごとく失敗に終わり、最終的には本人のしたことの後始末に追われるようになります。こうした悪循環を断ち切ることが、介入の第一歩になります。