元々、「アダルトチルドレン」とは、アルコール依存症の親を持つ子供が、成長の過程での境遇が影響で、考え方や感じ方に偏りが生じ、大人になっても生き辛さを抱えている人々を指しています。「依存症」自体は快楽物質である「ドーパミン」の影響による病的なものであるのに対し、「アダルトチルドレン」は環境が原因でその人が支配されるというものです。

現在では、「アダルトチルドレン」の意味合いは広がり、機能不全家族（正常な家族の機能を失った家庭環境）で育った子供が、大人になっても生き辛さを抱えている人々を指しています。

その家庭環境が原因になる考え方や感じ方の偏りのせいで、社会に適応できないなどの問題を抱えている人はアダルトチルドレンであると言えるでしょう。
そもそも、人格や性格はどのような環境で成長し、学んでいくかによって変わるので、多くの方がアダルトチルドレンに当てはまる可能性があります。なぜなら、正常な機能を果たしきる家庭というのは稀だからです。
アダルトチルドレンには様々なケースがあり、機能不全家族の種類によって様々なケースが考えられます。

また、アダルトチルドレンは正式な病名ではなく、 総称であり、正式な定義もありません。
解釈には個人差があり、認識に若干のズレがあるのも事実です。
専門家の中には、アダルトチルドレンの定義に対して否定的な見解を示す場合もあります。
アダルトチルドレンは、成長過程で身に付いた考え方が原因となるので、改善や克服が容易ではありません。
長い時間をかけて身に染み込んだことですので、アダルトチルドレンの改善や克服にはそれ相応の時間と労力が必要となります。

また、アダルトチルドレンは病気ではありませんが、その生き辛さが原因で各精神疾患を患うケースも多く見られます。


次回の「アダルトチルドレンの特徴」へ続く